2021年2月12日金曜日

現地オーディション②マネス音楽院での忘れられない”珍”体験!


(前回のマンハッタン音楽院の

オーディションからの続き)


詳しいいきさつは

忘れてしまいましたが、

オーディションの前に、

マネス音楽院の入学課オフィスと

オーディションの

レパートリーについて

メールのやり取りをしていました。


すると


―バッハから一曲

―コンチェルト

―自由曲1曲


を用意するように

連絡がきたのです。


要項の内容とは

食い違っていたはずでしたが、

まだまだ英語に不慣れな私は

このメールを鵜呑みにして

他の学校では求められなかった

コンチェルトを一曲

準備していました。


***


オーディション当日、

ホールの横の受付で

紙を渡され、

その紙にレパートリーを

記入するように

指示されました。


バッハ トッカータ ホ短調

モーツァルト コンチェルト K415

シューマン 謝肉祭


と記入。


バルトークの組曲も書いたかな?


ホールに入った途端、

ふわっと温かい雰囲気を感じました。


舞台から向かって

一番右端に座っておられた

チェア(代表)の先生の

(パブリナ・ドコフスカ女史)


“Hello, how are you?”


から始まり、


「さぁ、ではバッハから

始めましょうか?」


と言葉をかけていただいた

と思うのですが、


「バック」

と発音されて、

「=バッハ」と分かるまでに

数秒かかりました。


英語ではバック(語尾が子音のk)

と発音します。


トッカータのオープニング部分

を終えたをところで

いったんカットされて、

最後のフーガを

リクエストされました。


続けて、

シューマンの謝肉祭の第一曲


すると、


「じゃあ、モーツアルトの

コンチェルトが聞きたいです。」



さて、ここで、

お気づきの方も

おられるかとは思いますが、


コンチェルトって、、、、、、


そうです!!


オーケストラとソリストが

一緒に演奏する

あの、コンチェルト=協奏曲!


舞台上には私一人、

オーケストラパートを受け持つ

第二ピアノはありません。


第二ピア二ストもいません。


何故???


当時の自分にツッコミたいのは

山々なのですが、


なんせ初めてのことだらけ、

余裕がなかったのです。


オーディションのために

単身アメリカにやってくる

というだけで

もういっぱいいっぱいだった

のです。


また、


学校側から

第二ピアニストを用意するとも

第二ピアニストを用意してください

等の連絡もありませんでした。



私は、為す術もなく

オーケストラで始まる

曲の冒頭部分を飛ばした形で

ピアノのソロパートから始めました。


最初のソロパートを

無事弾き終えました。


中間のオーケストラパートに入ります。

でもオーケストラパートの音はありません!


しばしの静けさ。


......



すると!!!



審査員席からなんと、


オーケストラのみのパーㇳ(Tutti)を

ハミングする声が聞こえてきたのです。


男性の声でした。


そして!!!!!


歌っているのはもはや

一人じゃない?!?!


審査員席からの

励ましを感じました。


彼の歌声による

オーケストラパートに続いて、

私は自分のソロパートを

弾き続けました。


そうして

なんとか提示部

丸々弾き終えました。


テーブルにずらっと並んだ

教授たちが

しばしざわついた後

チェアの先生から、


「コンチェルトは課題ではありません。」


と伝えられたのです。


一瞬頭が真っ白になり、

しどろもどろの英語で、

入学課のオフィスから

コンチェルトを含む3曲を

準備するように

伝えられたと答えました。


(後で分かったことなのですが、

オフィスの人は何らかの手違いで

私を弦楽器の志願者と

勘違いしていたのです。

その為、弦楽器奏者の

オーディションの課題リストを

送ってきていたのでした。)


「何かソナタは用意していますか?」

と尋ねられました。


数日前の

マンハッタン音楽院の

オーディションで弾いた

ベートーベンのソナタ作品31-3

があったので

このソナタを弾くことになりました。


今回は

第1楽章の提示部だけでなく

展開部の最後まで

聴かれました。


先生方は

私がソナタを全楽章きちんと

準備できているのかを

確認したかったのでしょうか、


引き続き

第三楽章のメヌエットも

リクエストされました。


想定外の状況で、

予定より多くの曲を弾いて、

オーディションが終わった時は

放心状態でした。


外で待っていた係の子が

「凄く長くかかったけど、どうしたの?」

と聞いてきました。


状況を説明すると、

「長く聴いてもらえるのは

良いことだから大丈夫。心配しないで。」

と励ましてくれました。


今でも少し不思議なのは、

先生方はそもそも

なぜ、

課題に入っていないコンチェルトを、

しかも第二ピアニストもいない状態で

指定されたのでしょうか、、、、、、。


私にソナタの準備の

有無を先に確認して、

他に曲を準備できて

いなかった時のことを

思いやって、

ご指定下さったのか。


理由は分かりかねますが、

きっと審査員の先生方も、

ハミングに合わせて

コンチェルトを弾き続ける

受験生の様子を見るのは

なかなか面白かったと思います。


オーケストラパートを

歌って下さった先生が

どなたであったか

未だに分かりません。


あの時の

暖かくてユーモア溢れる

歌声は今も忘れられません。


そして

舞台袖でやさしい言葉をかけてくれた

オーディションのスタッフの女の子。


パンフレットを見てあこがれていた学校に

心から行きたいと思った瞬間です。



(補足) 現在のマネス応募要項には、

ピアノ専攻のオーディション課題の箇所に

「コンチェルトは不可」と

しっかり明記されています!


また、2021年は

コロナかの影響で

ビデオ予備審査に加え、

ファイナルオーディションも

ビデオ審査のみの大学がほとんどです。


***


今後の掲歳予定:


入学前のPlacement Exam 

(クラス分けテスト)

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2021年1月30日土曜日

現地オーディション①マンハッタン音楽院~オーディションのレパートリーについて


願書が受理されると、

オーディションの日程が

送られてきます。

願書の締め切りは

大体前年の12月くらいです。

オーディションは

2月末から3月頭にかけて

行われる学校が多いです。


オーディションの課題ですが、

特定の課題曲指定は無い

ところがほとんどです。


ピアノ専攻の場合、


バロック

古典派

ロマン派

近現代


の作品群から

各1曲準備するといった感じです。


学校によっては、

上記に加えて

練習曲が1曲が課せられます。


同じレパートリーが使えるので

併願もしやすいです。


私の場合は


バッハ トッカータ ホ短調

ベートーヴェン ソナタ作品31-3「狩り」

シューマン 謝肉祭

バルトーク 組曲

ショパン エチュード 作品10-4


更に


モールツァルトのピアノコンチェルトK415

を準備していました。


コンチェルトを準備した理由

については次回

詳しく述べたいと思います。


ライブオーディションでは、

多くの場合


“which piece would you like to start with?”


といった風に

何の曲から弾き始めたいかを

を尋ねられます。


初めの曲は

一番長く聞いてもらえる

可能性が高いので

最も自信のある曲から

始めるのが良いかと思います。


オーディションの時間は

限られていて、

準備した曲を

全て聞いてもらえるわけでは

ありません。


全楽章を準備しても、

途中の楽章を指定されたり、

バッハの平均律などでは、

プレリュードを飛ばして

フーガだけを

リクエストされたりする

場合もあります。


因みに、

マンハッタン音楽院の

オーディションでは、

準備したレパートリーの中から


バッハ トッカータ ホ短調

オープニングからアダージオまで

+最後のフーガのパート


ベートーヴェン 作品31-1

第一楽章の提示部


シューマン「謝肉祭」

第1曲目~第4曲目


を聴いていただきました。



オーディションの前日に

学生が行っている

スクールツアーに

参加した記憶があります。


在籍中の学生が、

校内を案内してくれて、

質問にも答えてくれます。


学部生だったら、

自分と年もそんなに変わらないか

むしろ年下かもしれないのに、


落ち着いて自信のある雰囲気に、

「しっかりしていてすごいなぁ」と

感じました。



オーディション当日は、

当時マンハッタン音楽院に在籍されていた

友人のお姉さまが、

手作りお弁当を持たせてくださり、

ウォームアップと

本番の間にいただきました。

不安と緊張の中、

和食が心にしみました。

有難くいただきながら、

思わずジーンとしてしまいました。


オーディションは

構内のメインホールで行われました。


ステージ上から

客席の教授たちへは

若干の距離があり、

しかも暗くてよく見えないのが

私にとっては 

意外と集中できて、

弾きやすかったです。


無事にマンハッタン音楽院での

オーディションが

終わりました。


***

次回はいよいよ

マネス音楽院での

忘れられない

珍オーディションについて

お話ししたいと思います。


お楽しみに!



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2020年12月23日水曜日

出願準備② 具体的なプロセス

 出願の際に用意するもは
どの学校も同じような感じです。

1.Application Form 
(願書申請フォーム)

現在はオンライン申請が主流です。

まず
自分の専用アカウントを作成します。
E-mailアドレス生年月日などの入力で
簡単に作成できます。

入力作業中断+保存⇔再開が
できるように
なっているはずなので、

アカウントを作成→ログインして、

あらかじめ
記入必要事項を確認、
入力できる情報から
順に埋めていっておくと
余裕をもって準備できます。


2.Transcription/ Certificate of Graduation
(成績証明書・卒業証明書)

この二つは似ていますが、
微妙に違います。

成績証明書
履修科目と成績、
GPAなどが
具体的に記されている書類です。

卒業証明書
卒業・学位取得の年月日が
記されている証明書です。

大学によってはこの2つが
一つの書類にまとまってある
場合もあります。

成績証明書に
学位の取得日が
記載されている場合は、
卒業証明書を
別途用意しなくて良い
場合もあります。

上記の書類は
英訳されたものが必要です。
既に英文による
定型の証明書がある学校なら
すぐに発行してもらえますが、
時間を要する場合もあるので、
早めに申請しておくと
よいでしょう。


3.英語能力を示すもの

英語が母国語でない
受験生は
TOEFLの公式スコアなど
英語能力を示す
書類が必要です。
出願する学校や学位、
プログラムによって
合格基準点が
異なります。

コンピューター受験に
なってからは
テストの開催日時や場所も
豊富になりました。

TOEFL対策は
早めからの準備を
お勧めします。

TOEFL 受験に
関しては、
また別の回で詳しく
お話しできればと思います。


4. Recommendation
(推薦状)

推薦状が2,3通が必要です。
一般的には
実技の担当教授や、
これまでに師事した先生
などに書いてもらいます。
申請書類の中に
Recommandation Form
定型ファイルがある場合は
それを使います。

推薦状には

①記述で回答するもの
②各質問項目を5段階表示などで記すもの
③フリースタイル

など色々あります。

以前は
プリントアウトした
Recommandation Form を
先生にお渡しする。

Ⓐ記入済みのフォームを先生から
直接郵送してもらう。

もしくは、

Ⓑ既に封のされた推薦状を受け取り、
他の出願資料と一緒に郵送する。

という形が多かったですが、

デジタル出願が主流になってからは、

①推薦状を書いていただける先生方の
メールアドレスを
アドミッションオフィスに伝える。

②リンク付きのEmail が
アドミッションオフィスから
先生方のもとに届く

③必要事項を入力していただく。

④オンラインアプリケーションシステムを通して
直接返信していただく。

といったような
形をとるところもあります。

推薦状は英文
のものが必要です。
書いていただく先生方の
ご負担を増やさないためにも
時間に余裕をもって
早いうちに
依頼しておきましょう。


5.Essay
(エッセイ)

テーマが指定されていれば
テーマに基づいて
エッセイを作成します。

大抵はA4の紙1,2枚に
収まる量だと思います。

英語力に不安のある方は、
プレッシャーも感じられるかも
しれません。

エッセイの書き方ガイドや
見本があるので
色々参考にできますが、

最終的には、
「自分で書く」
ことが大切です。

エッセイの目的は
志願校へ
自身の価値観やビジョン
を伝えることです。

エッセイの一部で
自分以外の人の
意見やアイデア、
文章などを借りる時は、
引用部分を明確にし、
出典表記が必要です。

引用元を明示せず
使用することは
plagiarism (プレジャリズム)
と呼ばれます。

エッセイを書くときに
最も気を付けなければいけない
ことの一つです。

アメリカは
plagiarism に対して
大変厳しい措置を取ります。

自分が意図していなくても、
plagiarism とみなされる場合も
あります。

プレジャリズムに関しての
具体的なケースや説明が
詳しく書かれた記事も
たくさん出ているので、
エッセイを書く前に
目を通されることを
強くお勧めします。

音楽学校は、
演奏などの「実技」が
最重要事項になってきますので
他分野ほど
エッセイが重要視されることは
無いかもしれませんが

いったん入学すれば、
小論文を書く機会は
必ず出てきます。

留学を考えておられる方は
自分の考えや
伝えたいことを
英文でアウトプットする練習を
重ねておくことをお勧めします。



6.プレスクリーニングオーディション用の
演奏ビデオファイル 

現地オーディションの前に
ビデオ録画による
予備オーディション
(Prescreening audition)を
するところもあります。

これからの時代は
現地オーディションの代わりに
オンラインオーディションなども
増えてくるかもしれませんが、

いずれにせよ、
事前にオーディションの課題曲を
録画・録音したものを
提出する機会はますます
多くなってくるかと思います。

一般的に「編集不可」の場合が
多いです。

その他ファイルの形態など、
録音環境等の条件を
確認してください。


7.Application Fee 
(出願費用)

大体80ドル位です。

現在は
クレジットカードでの支払いが
大多数だと思いますが、
使用できるカード会社が
限定されている場合も多いので
前もって確認しておきたいです。


最後になりますが、
一般大学の大学学部を
受験される時は
必ずと言って要求される
SATACT
(大学進学希望者の為の全米共通テスト)
スコアが、
音大の場合は
必要ない学校も多いです

しかし
ハーバード大学や
コロンビア大学などに入学して、
音楽をダブルメジャーなどで
履修する予定の方は、
必要になってきます。

あらかじめテストへ向けた
筆記試験の準備が
数教科分(選択可能)必要です。


出願時点で
準備する主なものは以上です。

万が一、
期限に準備できないもの
があったとしても、
Application Form に
必要事項を入力し
Application Feeを
納めておけば、

例え、〆切時点で
何らかの不備があっても
後日対応してもらえる場合が
あります。

留学に必要な手続きの
代行サービスなどを
利用すれば、
手間、時間が省け大変効率的です。

ただ、費用が余計に掛かります。

いったん渡米してしまえば
様々な問題に
英語で
対処していかなければなりません

分からないことに
ぶち当たりながらも
一つ一つ問題を
乗り越えながら
準備を進めていく時点で

留学の旅は
既にスタートしている
ような気がします。

大変かもしれませんが
やりがいのある作業です。

***

少し実用的な
内容が続いていますが、
次回のアメリカ留学体験記は

「いざ、オーディション!」

現地オーディションで体験した
珍エピソードを
お話しします。

お楽しみに!


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