スキップしてメイン コンテンツに移動

ピアノワンポイントコラム① テクニックって何?


(アメリカ留学体験記は一休み中!)


「テクニック」とは

自分が体現(実現)したい事を
可能にする為の手段・方法

です。

ここで生まれる質問:

「あなたはそのテクニックを使って
何をしたいですか?」

つまり、

「何がしたいか、何が欲しいかを知る」ことが
テクニック習得の第一歩です。



ここで、
赤ちゃんを思い出してみてください。

届かない場所に
クッキーがあります。




「あそこにあるクッキーのところに行きたい」

まだ歩けない赤ちゃんは、
全身をくねらせて床をはいます。

赤ちゃんはここで、
《ずりばい》というテクニックを
習得します。

さて、
クッキーのある場所に
たどり着きました。

「このクッキーを取りたい」

お皿にあるクッキーに
手を伸ばします。
つかもうとするんだけど、
つかめない。

でも、
何度かトライしているうちに、
ようやくクッキーを掴む事が出来ました。
赤ちゃんはここで、
《掴む》
という動作を学びました!

いよいよ、

「クッキーを食べたい。」

クッキーを口に運ぼうとします。
運ぶときにクッキーを
何度か落としてしまうかもしれません。
掴んだクッキーを落とさないように
口に持っていきたい、、、。

最初はうまく行かなくても、

いずれ、
赤ちゃんはクッキーまでたどり着き、
クッキーを手に取り
口に運んで食べる事が
出来るようになるでしょう。

赤ちゃんは
一日当たり
《ずりばい》エクササイズ15分
《握力》強化トレーニング15分
といったように
各動作を
個別に練習した訳ではありません。


《クッキーがとりたい、食べたい》
という目的を実現したかったので、
その為に必要な上記の動作 (技術)を
自ずと習得したのです。




ピアノの話に戻ります。

どのような音楽を実現したいか、

曲の「像」

(構造や曲想といった
楽曲の
イメージやアイデア)

が豊かで明瞭であればあるほど
それを体現するテクニックは
ごく自然に高まります。


理にかなった教本や練習方法

また、

先生方のアドバイスや、
素晴らしいピアニストたちの
演奏などを通して

テクニックを習得していく方が
多いと思うのですが、

私達は身体つきも考え方も
一人ひとり違う人間なので、

何故か
思うようにいかなかったりして、
試行錯誤を繰り返すことも
出てくるはずです。


そんな時は


「実現したい目的=音楽」


に今一度立ち返り、

そこへ意識をフォーカスすることが、

突破口になるかもしれません。



(連動する包括的な動作を

部分的に取り出して

練習したりする際には特に)



現在取り組んでいることが、
「どのような目的」でなされて、
「なぜ必要なのか」を
認識することは
とても大切だと思っています。



***

さて、次回は

音色の習得の過程で、
私が大切だと感じるポイントについて
お話しさせていただきます。