前回は 「聴かない」または「聴けない」理由 として A.「環境的な静けさの欠如」 という観点から お話ししました。 (前回のブログを読む) もちろん環境と精神は 繋がっているので 完全に切り離すことは できませんが 今回は B. 「精神的静けさの欠如」 について ①頭の中の交通渋滞 ②過度の緊張 ③自分と向き合う恐怖 という3つの具体例と共に 考察してみます。 * ①頭の中の交通渋滞 楽譜に書いてあること、 先生に注意されたこと、 「ああ弾きたい」 「こう弾きたい」 ・ ・ ・ 心に浮かんでくることは いつも山ほどあります。 一方で 長時間休みなく弾くことで 集中力が途切れ 全く関係ないことばかりを 考えてしまうこともあります。 いずれにせよ、 何かを考えている最中は そちらに 気を取られてしまうので 多くのことが 頭を 占めれば占めるるほど どうしても 「聴く」ということから 遠ざかっていきます。 演奏は 作品、楽器、共演者、 そして 聴いてくださる方たちとの 「対話」です。 「何をどう話そうか」 ということばかりに 囚われてしまう と 相手の反応や返答を 聞き逃してしまいます。 ②過度の緊張 適度な緊張は集中力を 高めるのにプラスに働くことも ありますが、 過度に緊張すると 冷静に、客観的に「聴く」 ことが難しくなります。 (逆に周りの雑音ばかりに 意識がいってしまって 自分の音に注意を 向けられないことも 同様です。) 心のメカニズムの 専門家ではないので あまり踏み込んだことは 書けませんが、 演奏家にとって、 パフォーマンス時の心の状態 と 「聴く」ことには 深い関わりが あるように感じます。 ③ 自分と向き合うのが怖い ②にも関連していることですが、、、 ここで、 少し爆弾発言します。 「聴けない」 原因の一つとして 「実は聴きたくない」 という感情が潜んでいる 可能性はないでしょうか? 少なくとも 私の場合はそうでした! 自分が今出している音 || 自身の現状 を知るのが怖い。 理想や憧れが 強ければ強いほど おそらくそこから かけ離れているであろう(←私の場合) 現実の自分の姿と 向き合うことは 時として勇気が要ります。 Reflection by Emiko Sato 自分を鏡に映して 隅々までじっくり 眺めるような感覚。 鏡では映しきれない 頭の...
ピアニスト♪佐藤恵美子のブログ