2020年8月30日日曜日

Why New York (なぜ、ニューヨーク)?その3


その3.オープンマインド

大学時代の恩師
スヴェトラ・プロティッチ先生は、
素晴らしいピアニスト
いらっしゃると同時に
人一倍謙虚でシャイ、
とってもお茶目で、断然猫派!!

とても魅力的なお人柄で
多くの人に愛されています。

そんな先生が
ある時
とても真剣なまなざしで
おっしゃたことがあります。

「Emiko、アーティストにとって、
最も大切なもの、
それは、
freedom of spirit (精神の自由)」

当時まだ20歳そこそこの私が、
先生のお言葉の真意を
分かるわけもなく、
その時はただただ、
普段とは違う
先生の雰囲気に
圧倒されるだけでした。

このメッセージが
とても大切さだということだけは
強く心に残り、家に帰って
すぐにメモしたのを覚えています。

昨今、あらゆる場面で
「リベラル」「反権威主義」
といった言葉が
汎用されていますが、

実際のところ、
ある国やシステム、情勢などを
「権威主義」vs「反権威主義」
といった風に
きれいに二極化出来ないのが
現実です。

そのようなわけで、
これらの言葉を
安易に使うことには
少し抵抗すら感じます。

20年たった今、
改めて
先生のメッセージ=
「精神の自由」を
私なりに解釈してみると、

「クラッシック音楽は
伝統芸術であると同時に
革命の歴史である。
昔から語り継がれた伝統を尊重し、
後世へ継承する努力を怠らないのと同時に、
アーティストであるということは、
長いものに巻かれたり、
偏見や固定概念に縛られることなく、
常に開かれた心で
探求心と批判的精神を携えて
創作活動を行う事が大切。」

というとではないかと
感じています

(もし違っていたら、先生、ごめんなさい。)


様々な人種、文化、価値観が
混在するアメリカ、
そこで私が陥るであろう
アイデンティティ・クライシス
~自己確立の過程で、
この言葉が
私の指針となってくれることを
先生は予見されて
おられたのでしょうか、、、、、。


先生の言葉を思い出すときに
リンクする光景があります。

グッゲンハイム美術館です。

ある時
指揮者の友人が、
グッゲンハイム美術館を
訪れた際に
フランクロイドライトによる
この美術館の
建築デザインの
意味を教えてくれました。

らせん状に
ひとつながりになっている
この建物のデザインは、
配置されるアートワーク(絵画)の
階級や区分けの境界線を
なくすことによって、
あらゆるアートと自然の
共存、共生を
表現している」と。

***

さて、次回は、
私の大切な友人である
キャシー・タグとデヴィッド・クラカウアーの
ニューヨーク発、最新アルバム
"Breath & Hammer"
についてお話したいと思います。



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2020年8月22日土曜日

Why New York (なぜ、ニューヨーク)?その2

その2.多様性


大学卒業時、
当時師事していた
スヴェトラ・プロティッチ教授が、
多様オープンマインド
教育環境で勉強できる
アメリカへ留学することを
勧めてくださいました。

アメリカには
ドイツ系、ロシア系、フランス系など
あらゆるバックグラウンドの芸術家が
集まっているので、

ある一定の地域に根ざしている
(どちらかといえば)
画一的なメソッドを
習得するというよりも、

様々な伝統や流派を
見聞きすることで、
自分がめざす音楽に合った
スタイルやメソッドを
追求して学ぶことが
できるかもしれない、
とおっしゃいました。


19世紀から20世紀にかけて、
ヨーロッパ
特にロシア (旧ソヴィエト連邦) 東欧出身の
多くの音楽家が
アメリカで活躍しました。

作曲家:
ラフマニノフ (ロシア)
ストラヴィンスキー(ロシア)
プロコフィエフ(ウクライナ)
バルトーク(ハンガリー)
ドヴォルジャーク(チェコ)
マーラー(オーストリア)
シェーンベルク(オーストリア)
ヒンデミット(ドイツ)
ブロッホ(スイス)

指揮:
トスカニーニ(イタリア)
ストコフスキー(イギリス)

バイオリニスト:
ハイフェッツ(リトアニア)
アイザック・スターン(ウクライナ)

ピアニスト:
ルドルフ・ゼルキン(チェコ)
ホロヴィッツ(ウクライナ)
シュナーベル親子(ポーランド)
ホルショフスキー(ポーランド)

チェリスト:
フォイアーマン(オーストリア)
ロストロポーヴィチ(アゼルバイジャン)

などが挙げられます。
彼らに加え、

ヨゼフ・レヴィーン(ウクライナ)
ナディア・ブーランジェー(フランス)
ナディア・ライゼンバーグ(リトアニア)
イザベル・ベンゲーローバ(ベラルーシュ)

といった、伝説の名教師たちが
アメリカのクラッシック教育の礎を
築きました。


私自身、
留学を決めた時点で、
具体的にどの先生に師事したいかなど
音楽家としての方向性は
まだ定まっていませんでした。

アメリカを勧めてくださった
プロティッチ先生も、
アメリカに音楽関係の
コネクションやネットワーク、
留学に関する具体的な情報を
お持ちだったわけではありません。

そのため
学校選びや
オーディションの段取りなど
自分でゼロから行うことに
なりましたが、

しがらみのないの未知の世界へ
足を踏み入れることに対しては
不安よりも、
わくわく感の方が強かったです。

アメリカ留学の思いが
どんどん膨らみます。

(続く)

***

次回の留学体験記:


「なぜ、ニューヨーク?その3」




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2020年8月14日金曜日

Why New York(なぜニューヨーク)? その1.



その1.アーティストが集う街~
アート、音楽、映画の舞台


今回から数回にわたって、
「なぜニューヨークを留学先に選んだのか」
について綴っていきます。

***

ニューヨークは世界中から
アーティストを引き寄せる
磁石のような街。


音楽、絵画、
ダンス、オペラ、バレエ、
演劇、ミュージカル、
映画、ファッション、写真


世界中から集まった人々によって
あらゆる創作活動が
現在進行形で行われています。


美術館、博物館、劇場、
コンサートホール、
無数のギャラリーや小劇場、
ダンススタジオや音楽サロンが
そこら中に溢れていて、


メトロポリタン歌劇場
カーネギーホール
ブロードウェイの劇場では
世界最高峰のパフォーミングアーツを
身近に見聞き出来ます。

【補足:今現在 (2020)Covid19の影響で、
多くのパフォーミングアーツが休演を余儀なくされたり、
ライブストリーミングのみの上演となってしまっています。
パフォーミングアーツ業界にとっては試練の時ですが、
アートの炎が絶えることはありません。
この試練を乗り越えてNYのアートシーン
がますます輝くと信じています。】


また、

ジュリアード音楽院
マネス音楽院、
マンハッタン音楽院
といった
名門音楽学校のみならず

ニューヨーク大学(NYU)
コロンビア大学
ニューヨーク市立大学(CUNY)
といった
総合大学にも恵まれ
活気溢れる学生の街です。

アートを志す者にとって
ニューヨークは
夢の舞台です。


私は小さいころから
映画を見るのが大好きで
特に夏休みなどの長期休暇には
夜更かしして、
明け方まで
立て続けに鑑賞していました。

鑑賞記録も付けていて、
見た映画の数は
当時で既に
2000本近くに
達していました。

中でも
アメリカ映画を見る機会は
たくさんありました。

無意識に
自身のイメージを
スクリーン上の人々に
重ねていったのでしょうか、

アメリカ人の
表現や生活様式に
親しみを感じ、
同じような環境で
暮らしてみたいという憧れは
とても強かったように思います。

ニューヨークを舞台にした映画で、
ぱっと思い浮かぶものだけでも
結構出てきたので、
年代順にまとめてみました。


ティファニーで朝食を(1958)

ウエスト・サイドストーリー(1961)

タクシードライバー(1976)

ゴッド・ファーザー Ⅰ, Ⅱ, Ⅲ (1972〜1990)

アニーホール(1977)
〔+ウッディ・アレン映画全般〕

クレーマー・クレーマー(1979)

恋に落ちて(1984)

スプラッシュ(1984)

コーラスライン(1985)

ビッグ(1988)

虚栄のかがり火(1987)

月の輝く夜に(1987)

ウォ—ル街(1987)

ワーキング・ガール(1988)

恋人たちの予感(1989)

ゴースト/ニューヨークの幻(1990)

セント・オブ・ウーマン(1992)

めぐり逢えたら(1993)

あなたに降る夢(1994)

陰謀のセオリー(1997)

ユー・ガット・メール(1998)

めぐりあう時間たち(2002)

プラダを着た悪魔(2003)

インサイド・マン(2006)

私がクマにキレた理由(2007)

ブラックスワン(2010)

アリスのままで(2014)

ハドソン川の軌跡(2016)

ジョーカー(2019)

こうして並べてみると
やはり記憶に焼き付いているのは
80、90年代の作品が
圧倒的に多いです。

2001年に
実際に移り住んでからは、
日々の生活が一杯一杯で
映画をぱたっと
見なくなってしまいました。

そのようなわけで、
マイ・リストには
偏りがあると思ったので、
改めて調べてみると


なるものが、ウィキペディアにありました。
ご興味のある方は是非一度ご覧ください。
このリストにあるだけでも相当な数です。


こちらは、英語のリスト:



実際に
ニューヨークに住んでみて
体験した光と闇は、
映画で見る世界とは
また違うところも
多々ありましたが、

帰国して5年経った今でも、
スクリーンに
ニューヨークの街並みが
登場すると
やはり胸が熱くなります。

***


次回の留学体験記:

「なぜ、ニューヨーク?その2」



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