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ピアノワンポイントコラム⑥身体のこと~その1「身体の特徴」



ピアノの最大の魅力の一つは
100歳になっても演奏できる
楽器であるということ。

99歳まで現役ピアニストだった
ホルショフスキーは
私のロール・モデルの一人です。


一方で、
音楽に対する熱い情熱、
豊かな才能を持ちながらも
身体や心に
過度の負担をかけてしまい
怪我や故障によって
ピアニストを断念した人も
少なくありません。


このようなことを未然に防ぎ
演奏家として
息長く弾き続ける為には、
身体にやさしい奏法を
習得する事が大切です。


また、
指導に携わる際には
生徒さんたちの
心身の健康を見守り、
健全な成長が促されるように
配慮する必要があります。

特に、筋肉や骨が
未発達の子どもと
ワークする際には
細心の注意を払います。

*

近年では、
フォーカルジストニアに
関する研究や(※)

身体に無理や
負担の少ない奏法の
科学的な研究も
どんどん進み、

学術書の出版や
興味深いセミナーなども
益々充実してきました。


以前、インスタグラムでも
紹介させていただきましたが、

「演奏家と身体」に関する
代表的な本といえば、

トーマス・マーク氏による

What Every Pianist Needs to Know About the Body
⇩




小野ひとみ氏監修・古屋晋一氏による

和訳版はこちら。

⇩

詳しいことは、

こちらの本をはじめ、

身体運動学を含む

人体解剖学の

専門家の方々による

素晴らしい解説を色々

ご参考いただければと

思いますが、


今回のブログでは


演奏家が

「自分の身体と向き合う。」

ということについて

これまでの経験も踏まえ

私なりに

まとめておきます。


*


奏法を習得する際に

「一方的で画一的な方法」

が必ずしも

ふさわしくない理由は


体格や運動能力、思考パターンなどに

個人差がある

からです。


その為、

いかなるアプローチを

とるにしても


まずは


「個々の身体特性に目を向ける」


ことが

大切かと思います。



①自分の身体の特徴に気づく。



「あなたの手の特徴をあげてみてください」


と言われたら、

どの様に答えますか?


ー掌のサイズ

ー指の長さ


等が真っ先に挙げられるでしょう。


その他にも


ー手の厚み

ー指の太さ

ー手首の柔軟性(関節の可動域)

ー掌の広がり(指のストレッチ)


などにも特徴があります。


さらに、

大切な注目ポイントは


「比率(バランス)」


です。


例えば


ー5本指の長さの比率の違いは


各指が触れる

鍵盤の位置、

手首の角度や指使い

などに影響します。


また


ー肩幅+腕の長さ

ー各関節の可動域

ー胴体と足の長さの比率などは


ピアノと身体の距離や

椅子の高さに

影響します。


ピアノと身体の

位置関係は

身体の使い方→タッチに

影響し、


最終的には

音色

に影響します。


このように


身体的特徴を正確に認識し、

全身を連携させて有効に使う事で


ある特定の部位に

過度の負担を

強いることを

防ぎます。



さて、

この時に、

身体的特徴と併せて

注目したい

以下のようなポイント

があります。

⇩


②身体能力

③身体のコンディション

④心のコンディション




これらについては

次回のブログで

お話ししていきたいと

思います。


次回:ピアノワンポイントコラム⑦

身体のこと~その2


②自分の身体能力に気づく。



お楽しみに!



 
【論文紹介】

※NY市立大学大学院センター時代の友人、ジュディ・ウー博士の論文「ピアニストのフォーカルジストニア:音楽学校の役割について」には、実際にフォーカルジストニアを患った二人のピアニスト+指導者、ゲイリー・グラフマン&レオン・フライシャーの貴重なインタビューが掲載されています。


”Focal dystonia in pianists: The role of musical institutions.”

Woo, Judy K. City University of New York.

ProQuest Dissertations Publishing, 2011.