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私の反省①~学業と仕事の両立について


前回からずいぶん時間がたってしまいました。

みなさんお元気ですか?


ここのところ、ついついご無沙汰に

なってしまっていたのですが、


数か月前、

このブログを読んでくださっている方から

メッセージをいただき、

とっても嬉しかったので、

改めてやる気が湧いてきました!

そのようなわけで

またいつも通りマイペースで

少しずつアップしてきます。


さて、

前回の続きです。


米国で音楽芸術博士号(DMA)取得には主に


①実技レッスンを含む必須科目の履修

語学試験

総合試験

リサイタル

レクチャーコンサートや博士論文

が課されます。


(これらの詳しい内容についてはまた

別の機会に順を追って説明します。)


私の場合、

これらすべての行程を終えるのに

10年もかかりました。


最大の原因は

仕事と勉強の両立が

うまくできなかったからです。


留学生に発行される

F1ビザは学業を目的としたものなので、

原則として仕事に就けないのですが、


①仕事の場所が大学内である

②仕事の内容が専門分野に関係している場合は、


学校の International Office で許可をもらい、

社会保障番号(SSN)を取得したのち

働くことができます。


①はOn Campas Job

②はCPT Curricular Practical Training

と呼ばれます。


実際のところ、

奨学生や、生活費の一部を

親やスポンサーに援助してもらっていても、 

物価も授業料も高額のNYでは

多くの学生が働いています。


ただ、

仕事と勉強の両立は

私にとっては

相当きつかったです。


学校にもよりますが、

博士課程は

「4~8年くらいで卒業してね。」

というざっくりした期限があるだけで、

(正当な理由が認められれば、延長は可能です。)


必須科目履修後は

試験、リサイタル、論文、

全て個々のペースで行います。


CPTは一週間の就労時間の上限が

定められているものの、

上限一杯まで働こうと思うと、

かなりの時間と労力が要ります。


ただ、

ニューヨークのティーチングの相場は

決して悪くはないので、

しっかり働いて節約すれば、

家賃と食費を賄うことは

なんとかできます。


そんな中、

気が付くと仕事優先の生活になり、

学業を続ける気力と体力を失っていきました。


特に論文に関する一連の準備が大変すぎて

挫けそうになったこともありましたが、


友人や当時師事していたピアノ科の教授が

「せっかくここまで来たのに、

辞めたら絶対後悔するから、

諦めないで!」

と引き留めてくれました。


中退する人は、

入学して

早ければ一年、遅くとも

語学試験や総合試験の手前で、

決断するケースが多かったです。


私の場合は、

大変だった全ての試験と

論文のプロポーザルを通過し、

既に5年以上経過していて、

自身、

「ここであきらめたら勿体ないな」

という想いもあり、


結局、

二度の休学を経て、

最後の8か月間は

仕事を全部辞めて

ニュージャージー州の

友人の家の屋根裏に住み込んで

書き上げました。


「ここでもう少し

ピアノの勉強を続けられたらいいな。」


というふわっとした想いだけで

受験した博士課程でしたが、


入ってみると、

予想の何倍も大変でした。


もちろん、

仕事を通して得たスキルや学び、

素晴らしい人々との出会いは

今でもかけがえのない財産ですが、


やはり、

仕事はもう少しセーブすべきだったと

思います。


Photo by Micheile Henderson

経済的に厳しい学生の方たちにとっては

難しいとは思いますが、


もし、

留学する幸運に恵まれたのであれば、

何とかして

人生の貴重なひと時を

思い切って学業に専念出来るような環境を

整えられますように!


とはいえ、

依然物価高が続くニューヨーク、

生計を立てるにはやはり、少しでも

働きたいという方のために、

学生の仕事事情について、

次の次の回でお話しします。


さて、次回は


私の反省②ラッシュチケットの思い出


お楽しみに!