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ピアノワンポイントコラム② 音色って何?


ピアノは、

たとえ同じ楽器であっても、

弾く人によって

音色が異なります。


透明感のある音

深みのある音

あたたかい音

かたい音

まるい音

かわいた音

潤いのある音


「いったい、どうやったらあんな

音が出るんだろう。」


素晴らしい演奏家の

神秘的な、

万華鏡のような

サウンドを聴いて

こんな風に思う方は

少なくないはずです。



音色に

「バリエーション」があると、

さまざまな表現が

可能になります。



絵具を使って絵を描くとき、

色を混ぜ合わせることで、

表現のバラエティーが

増すのに似ています。


各色を混ぜ合わせて

新しい色」を作ったり、


ある色相の

濃淡や明るさ」の変化を

つけることができます。


Sonja Kanno Zeitgeist, 2018 Oil on wood, 6 panels (detail)
Sonja Kanno Zeitgeist, 2019 Oil on wood, 6 panels (detail)




また、

水彩、油彩、クレヨン

といったように

様々な絵具を用いることで、


質感」に変化を

もたらすこともできます。



音の場合は、


基音 (ハンマーが触れた弦のピッチ)」

倍音 (基音との共振によって生まれる音)」

楽器全体 の振動などが


音色に反映されます。




もう一つ重要な要素は


空間



「光」が無ければ色が存在しないように、

「空間」が無ければ音は存在しません。




そして


弾き手が直接

音色に影響を及ぼすものが


タッチ


です。


「打鍵」という言葉が

用いられることもありますが、



「打」という漢字のせいで

「固いものを叩く」

といったような

限定的なイメージも

持たれやすいので、



ここではあえて、


鍵盤に触れるときの身体の動作

+触れたときの感触

||

「タッチ」


という言葉を使います。



+「ペダル」



つまり、


音色のバラエティを増やす

タッチとペダリングの種類を増やす


ということになります。





さて、ここで

前回お話しした



「テクニックを習得する上で大切なこと」



へと話を繋げます。



実際に鍵盤に触れて

音を出す前に



③『どんな音が欲しいか』

↓↑

②『何故、そのような音が欲しいのか』

↓↑

①『その音を使って何を伝えるのか。』



に思いを馳せてみます。



実現したい「音楽」が

あってこその

音色であって、


実際の演奏では

多彩な音色を「どのように」

使っていくか、

ということが求められてきます。



楽器との共同作業によって

音色を探し求める中で、



「イメージ通り」どころか、

「イメージを覆す」ような衝撃的な

音色に出くわすこともあります。



このような経験を経て、

また新たなイメージ (アイデア) が

膨らんでいきます。



さて、


色彩豊かな音色を

楽器で奏でるために

とても大切な第一歩。


それが


「聴く」


ということです。



私は「聴く」ことは

音楽家の最も大切な

テクニックの一つであり、


音色と向き合うときの

スタート地点

であると思っています。



そのようなわけで、



次回のピアノワンポイントコラムは


ずばり、


③「聴く」って何?~その1






④聴く~その2

⑤身体

⑥楽譜を読む



と続く予定です。