スキップしてメイン コンテンツに移動

ピアノワンポイントコラム③ 聴く~その1「響きを聴く」



少し安直な言い方に

なってしまいますが、


画家の「目」や料理人の「舌」

に匹敵するものが


音楽家の「耳」


ここでは敢えて、

「耳」という部位に

限定してしまいましたが、



音は空気中に

振動を通して伝わるので、

全身で聴く

という表現の方が

私は好きです。



大切なのは、


ピッチ音程を瞬時に判定する

だけではなく、


②時間経過による響きの変化を感じる

ということです。



私が大学時代に

師事した先生は、

響きに関して

とてつもなく敏感で、


最初は

一音弾くたびに


”NO!”


と言われました。



たまに

まぐれで “YES” の音が出せても、

次のレッスンで、

また“NO” の大洪水、、、。



他の生徒さんのレッスンを

見学させていただいて、

客観的に聴けば

まだ分かるのですが、



自分が演奏する段になると

先生の様に

細やかな音のニュアンスを

敏感にキャッチすることが

なかなか出来ませんでした。


いくら耳で

違いが分かったとしても


これまで培ってきた

習慣的な動作に

抜本的な調整が

必要な場合は、


即座に実際の音に

反映出来ないことも

あると思います。



ただ、私自身は、

「聴く」ことが

音色と動作の改善に繋がる

という体験を

何度もしてきました。





さて、


なぜこれほどまでに

「響きを聴く」ことが

大切なのでしょうか?


それは


音楽表現に必要な


多彩な音色

抑揚やレガート

流れるようなパッセージ

響きの豊かな和音

||

滑らかな音の連結や融合



「響きの陰影」で体現出来るからです。



“Colorful waves” by Emiko
Colorful Waves (2020) by Emiko Sato




響きは

時間と共に変化します。

音を出した瞬間だけでなく

他の音と連結+融合される瞬間も

聞いている必要があります。



これが


①ピッチや音程を判定する


②響きの変化や繋がりを意識する


ことの違いです。



***



さて、次回は



ピアノワンポイントコラム④聴く~その2


「聴く」ことを阻む要因



について、

自身の経験も交えながら

考察していきます。