前回 は 楽譜を 設計図 に見立てて、 楽曲の 構造 や 形式 について お話しをしました。 さらには 楽曲には デザイン だけでなく 『文脈』 が存在すること、 楽譜を脚本に見立てて 読み解くことの 可能性、 楽曲の『構造』と『形式』を それぞれ ☆構造(骨組み)→プロット ☆形式(間取り)→場面 に置き換えられるところ までお話しました。 続けて、 ☆ 声部(音域) →登場人物 ☆メロディ →台詞 ☆動機(モチーフ) → ( 情景、台詞、 登場人物などを司る ) キャラクターの素材 などに置き換えてみます。 強弱、テンポ、 アーティキュレーション、 ペダルなどの表示を 参考にしながら 実際に それぞれの音符を 音に起こしていきます。 ただ表示に従うのではなく、 「何故その様な表示がなされているのか」 と問いかけます。 脚本としての楽譜(楽曲の文脈) Photo by Waldemar Brandt ここからが肝心です! それぞれの要素を 様々な角度から比べて 違いや変化に着目します。 * 例えば、 メインテーマの部屋→「 居間」 が 二度現れるとします。 同じ「居間」でも 最初と二度目で 【 調(又は モード)】 が 異なれば 部屋の 雰囲気 が 変化します。 ハ長調のメインテーマ: 昼間の「居間」 ↓ ヘ長調のメインテーマ: 夕暮れ時の「居間」 といった感じです。 たとえ 居間の場面が 再び同じ調で 現れた としても、 最初のシーンの「居間」と、 様々な出来事の後に 再び現れる 「居間」とでは 印象は異なります。 時間芸術の妙 が ここにあります。 次に メロディ→台詞 ですが、 同じ台詞でも 音域 が変われば 人物 が 入れ替わり、 和声 が変化すれば 台詞に伴う 表情 が 変わります。 また、 同じメロディに アーティキュレーション の 変化が生じたり、 装飾 や バリエーション が 加わることで 台詞の言い回し も 変化します。 例を挙げると きりがありませんが、 このように少しずつ マクロ→ミクロ へ 視点を移し 詳細な変化に 注目する ことで 少しずつ文脈が 浮かび上がってきます。 このような プロセスを経て 実際に音に起こしていく中で、 視覚だけでは 得られなかった 情報も どんどんインプットされ、 楽曲に対するビジョンが 少し
ピアニスト♪佐藤恵美子のブログ