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ピアノワンポイントコラム⑧譜読み~その1「音楽の様々な側面」


 楽譜は音楽を音符などを使って
視覚的に記したものです。

作曲家が

楽譜に綴ってくれたおかげで、

私たちは

「彼らが伝えたかったこと」を

国境や時代を超えて

受け取ることが出来ます。


こんな風に考えると、

楽譜を読むということは

何だかとても神秘的で

ロマンティックです。



勿論

音楽にも

色々な形態があり、

楽譜が存在しない

ようなものも

あります。


そのようなわけで、


今回は


「典型的な

クラシック音楽の

楽譜の読み方の一例」


という前提で

お話しさせて頂きます。



「楽譜を読む」ということは

「音楽の記号を認知して

その意味を受け取る


ということです。


音楽には


文章的

詩的

建築物的

絵画的

舞踊的

演劇的


といったように

無数の側面があります。


このような数々な側面に

気づくことは

楽譜を多角的に読む

第一歩です。


「文章としての音楽」


例えば、


音楽を

「文章」という側面から

眺めてみます。


文字を一つ一つを

バラバラに読んでも

文章の意味を成さないのと同様、


音符を一つずつ

バラバラに認識するだけでは

音楽を

受け取ることが出来ません。


Photo by Debby Hudson


文字≪単語≪句≪文


という成り立ちを

知ることで

初めて文章を読む

ことが出来るように、



音楽も、


複数の音符の


まとまり

パターン

相関関係


を認識することで、


【動機】→単語

【フレーズ(≒)小楽節】→文節

【終止形】→句読点(※)


といったような

文章的要素を

読み取ることが出来ます。


ただし、


文章は、

文字を一直線上に

並べていきますが、


楽曲は

複数の音符が同時に

並びます


また、


文章では

様々な言葉が一方向に

綴られる

のに対し、


楽曲には

一定数の【動機】が

韻を踏んで、

形を変えながら

繰り返し登場

します


さらに、


【動機】をはじめとする

文章的な要素は

大きな骨組みの基に

モザイクの様に

立体的に

埋め込まれています。


このため、


楽譜を読むためには、


楽曲の

文章的な側面だけでなく

建築物的な側面も

認知する必要があります。


(続く)



***



次回は

楽曲の建築物的な側面について

詳しくお話していきます。


譜読み~その2「建築物としての音楽(楽曲の構造と形式~マクロの視点から)」




※【動機】=モチーフ:何らかの特徴を有する音符の最小のまとまり。旋律断片。

【カデンツ】=終止形:和音の並びのプロトタイプによってもたらされる、音楽の流れの区切り