その3.オープンマインド
で話したように、
米国留学を決めた
理由の一つに
大学時代の恩師の強い勧め
がありました。
プロティッチ先生は
素晴らしいピアニストで
いらっしゃると同時に
人一倍謙虚でシャイ、
とってもお茶目で
断然猫派!!
とても魅力的なお人柄で
多くの人に
愛されています。
そんな先生が
ある時
とても真剣なまなざしで
おっしゃたことがあります。
"Emiko、
アーティストにとって
最も大切なもの、
それは
freedom of spirit! "
当時まだ
20歳そこそこの私が、
先生のお言葉の真意を
分かるわけもなく、
その時はただただ、
普段とは違う
先生の雰囲気に
圧倒されるだけでした。
このメッセージが
とても大切さだと
いうことだけは
強く心に残り、
家に帰って
すぐにメモしたのを
覚えています。
昨今、あらゆる場面で
「リベラル」
「反権威主義」
といった言葉が
汎用されていますが、
実際のところ、
ある国やシステムや情勢などを
「権威主義」vs「反権威主義」
「リベラル」 vs 「保守派」
といった風に
二極化出来ないのが
現実です。
そのようなわけで、
「自由」という言葉を
安易に使うことには
少し抵抗すら感じます。
20年たった今
改めて
先生のメッセージを
私なりに解釈してみると
「クラッシック音楽は
伝統芸術であると同時に
革命の歴史である。
昔から語り継がれた
伝統を尊重し、
後世へ継承する努力を
怠らないのと同時に、
アーティストである
ということは、
長いものに巻かれたり
偏見や固定概念に
縛られることなく、
常に開かれた心で
探求心と
批判的精神を携えて
創作活動を
行う事が大切。」
というとではないかと
感じています。
(もし違っていたら、
先生、ごめんなさい。)
様々な人種、文化、価値観が
混在するアメリカ、
そこで私が陥るであろう
アイデンティティ・クライシス
~自己確立の過程で、
この言葉が
私の指針となってくれることを
先生は予見されて
おられたのでしょうか、、、、、。
*
先生の言葉を
思い出すときに
リンクする光景があります。
グッゲンハイム美術館です。
ある時
指揮者の友人と
グッゲンハイム美術館を
訪れた時、
フランクロイドライトによる
建築デザインの
意味を教えてくれました。
Guggenheim Museum Photo by David Emrich
「らせん状に
ひとつながりになっている
この建物のデザインは、
配置される
アートワーク(絵画)の
階級や区分けの境界線を
なくすことによって、
あらゆるアートと自然の
共存、共生を
表現している」と。
***
さて、次回は、
私の大切な友人、
キャシー・タグ
&
デヴィッド・クラカウアーの
ニューヨーク発最新アルバム
"Breath & Hammer"
を紹介します!
ライナーノーツを翻訳しました!
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(ピアノ♪ワンポイント・コラム掲載中!)